故人が亡くなったら遺族はいったい何をすればいいのか、その具体的な手続きを知らない人は多いです。
なので今回は、その具体的な手続きを説明させて頂きます。
亡くなった直後の手続き
まず、故人が亡くなった際まっ先に行うべきことは、死亡届の提出です。
この死亡届を出さないと火葬許可証が出ないので、非常に困ったことになります。
死亡届の提出と同時に、火葬許可申請書の提出も行います。
この2つの書類を役所に提出すると、火葬許可書をもらう事が出来ます。
ちなみに、この火葬許可証は埋葬許可証としても使えますので、その点を覚えておいたほうがいいでしょう。
他にも、年金をもらっていた人が死亡した場合年金受給権者死亡届を出さないといけませんし、故人が使っていた保険証も返さないといけません。
落ち着いたら行う手続き
亡くなった直後にやる必要はなくても、そのうち暇を見てやらないといけない手続きは山ほどあります。
その筆頭が、故人が使っていたクレジットカードの解約です。
クレジットカードは現金同等物なので、出来るだけ早く解約しておいた方がいいです。
それ以外にも、故人が会費のかかる何かの会に入っていた場合、かたっぱしから解約する必要があります。
なので故人が生前のうちに、どこの会に入っているのかということを、聞いておいたほうがいいでしょう。
会費のかからないタイプの会まで退会するのは手続き上手間がかかりすぎるので、会費がかかるタイプの会だけ抜けておけばよいでしょう。
また、故人の入っていた保険が後期高齢者医療制度だった場合、喪主は葬祭費をもらうことが出来ます。
もらえる金額は数万円ですが、もらえるものはしっかりもらっておきましょう。
ちなみに、故人の保険が国民健康保険など別の保険であったとしても葬祭費やそれに類似した費用をもらえることがあります。
なので一度故人の入っていた保険に問い合わせをしてみるといいでしょう。
遺族年金、遺産相続手続き
遺族年金は、年金の被保険者が死亡した場合、死亡一時金や遺族厚生年金などが受け取れる制度のことです。
もらうには特定の条件が必要になりますが、これを満たしている場合所定の手続きをすることで遺族年金をもらうことが出来ます。
具体的には、年金手帳に世帯全員の住民票の写し、戸籍謄本、請求者の所得証明書などの書類をもって役所に行けばいいです。
これとは別に、故人に遺産がある場合、遺産相続の手続きがあります。
遺産相続の手続きは、故人の残した遺言を確認するところから始まります。
この時、遺言の種類によっては家庭裁判所の検認手続きが必要です。
遺言の確認後、遺産をもらう権利のある法定相続人を集めて、遺産相続について話し合うことになります。
この時、誰が法定相続人なのかを調べるために、故人の戸籍謄本を取り寄せなければなりません。
それを終えた後故人の財産を調査して、その後ようやく遺産の分割協議が始まるのです。
遺産の分割で合意すれば、後は銀行預金や不動産など故人の財産の名義を変更します。
そして最後に、必要があれば相続税を納付して遺産相続は終わります。
相続、名義変更の手続き
相続による名義変更の手続きは、名義を変更する財産が不動産か、それとも銀行預金かによってやり方が違います。
不動産の場合、相続登記というものが必要になります。
相続登記とは、故人が持っていた不動産の名義を相続人の名義に書き換えることです。
この相続登記をするための手続きはかなり複雑です。
相続人全員の住民票に印鑑証明書、相続する不動産の権利書など大量の書類や証明書が必要になります。
かなり面倒な手続きだということを、頭の中に入れておくと良いでしょう。
銀行預金の名義変更は、これより簡単に出来ます。
預金のある銀行の窓口に、故人や相続人の戸籍謄本、相続人の銀行口座の印鑑証明書、実印、預金通帳を持っていけば事足ります。
不動産の名義変更に比べると、銀行口座の名義変更の方が簡単に出来ると言えるでしょう。
相続税の手続き
基本的には、普通の家庭の場合、相続税の手続きはいりません。
なぜなら、相続税には基礎控除額が最低でも3600万、実際は5000万前後はあるので、そうそう相続税を納めなければいけない事態にならないからです。
それでも相続税を納めなければいけない場合、相続税の申告書を作成してそれを税務署に提出しないといけません。
かなり複雑な手続きなので、税務署と相談しながら申告書を作成していくといいでしょう。
生前対策の基礎知識
簡単に出来る生前対策といえば、やはり遺言を作っておくことでしょう。
財産の被相続者があらかじめ遺言を作っておくことで、財産分割の際に起こる混乱を予防する事が出来ます。
後は、財産目録を作っておくことも有効です。
被相続者の財産がどこにどれだけあるかということは、プライベートな事柄になるので、家族でも完全に把握は出来ません。
なので、被相続者が故人になると、その財産がどこにどれだけあるかわからないということで、混乱を招くことになります。
そういう混乱を防ぐために、あらかじめ財産目録を作っておくとよいでしょう。