葬儀において、一番気を使うことが葬儀でのあいさつです。
そのあいさつのことについて気をつけるべきことやあいさつ集などを紹介させて頂きます。
葬儀でのあいさつには定形文のようなものがあるので、基本的にはそれを使っていけば問題ありません。
故人に世話になった場合は、
「故人様には生前大変お世話になりました。このようなことになり、まことに悔やまれてなりません。」
故人が急死した場合は、
「突然の出来事で、気落ちされていることでしょう。心からお悔やみ申し上げます。」
故人がまだ若かった場合、
「将来を嘱望されていた方がこのようになり、まことに残念でなりません。」
遺族に対しては
「お役に立つことがあれば、遠慮せずおっしゃって下さい。お体にお気をつけ下さい。」
と色々ありますので、状況に応じて使っていけば問題ないです。
どんなときでも使えるあいさつとして、心からお悔やみ申し上げます、ご愁傷様でございます、残念でなりません。
といった言葉がありますので、これらの定番の言葉を、故人が亡くなった状況、挨拶を言う人と故人の関係を絡めておけば、問題なくあいさつが出来ます。
基本的に、参列者が喪主や遺族にかけるあいさつは、これらの定形文を使えば問題ありません。
そこまで長くあいさつをすることはないので、短い文でも構わないのです。
とにかく、参列者が故人の死を悼んでいることが伝わればよいので、あいさつ文をそこまで気にする事はないのです。
しかし、葬儀で行う喪主のあいさつはスピーチ的なものなので、定形文を並べておけば事足りるわけではありません。
では、喪主のあいさつ文はどうやって作ればいいのでしょうか?
一番オードソックスなやり方は、基本的な定形文の間に、個人的なエピソードを混ぜることです。
喪主は、故人の子供や妻、夫など故人と近い関係だったものが多いので、故人との個人的なエピソードには事欠きません。
この時、暗いエピソードや心がざわつくエピソードより、明るい、笑えるエピソードの方がよいことは言うまでもありません。
そういった個人的で心温まるエピソードを挿入する事で、あいさつが、機械的なものではなく、血の通ったものになるのです。
基本的に、喪主のあいさつは喪主が好きなようにやればいいのですが、それでも、気をつけるべき点と言うものがいくつかあります。
その代表的なものが、要点をまとめて長くなりすぎないようにすることです。
喪主は故人と近い関係の者がなるので、故人に対して言いたい事は山ほどあるでしょう。
しかし、それをひとつひとつ言っていては、時間が10分、いえ20分あっても足りません。
だいたい、喪主のあいさつは3分前後で行うものとされていますので、参列者への感謝の言葉など定形文的な物を除けば、自分の言葉で言えるのは1~2分ほどです。
その短い時間で自分の感情をきっちり伝えられるように、要点だけを抜き出して話すのがよいでしょう。
それ以外に気をつけるべき点としては、死や迷うなどの不吉な忌み言葉を使わないことと、気分を高ぶらせずに冷静に話をすること、そして重ね言葉を使わないことくらいです。
それらの点に気をつけておけば、問題なく喪主のあいさつが出来るでしょう。
ちなみに、喪主のあいさつは葬式当日以外にも、お通夜の時や四十九日法要の時など何回かやる機会がありますので、どれも同じような内容にせず、少し違いを見せるとよいでしょう。
葬式でのあいさつといえば、参列者が遺族にかけるあいさつと、喪主のスピーチ的なあいさつのほかに、弔辞というものがあります。
これは、参列者が故人に弔いの言葉を捧げるもので、これもあいさつの一種といえます。
この弔辞は、あいさつの一種でありながら、定形文が少ないことが特徴です。
定形文が多い前段を除けば、参列者が言いたいことを言えます。
と言っても、この弔辞にも最低限のマナーがあります。
それは不吉な言葉を避けることと、重ね言葉を使わないこと、そして3分前後の時間で話を終えることです。
基本的には、喪主のあいさつと同じ点に対して気をつければ、事足りるといえます。
他にもあいさつで気をつける点があります。
それは定形文は万能ではないという事です。
例えば、ご冥福をお祈りしますという言葉は、葬式でもっともよく使われる定形文です。
この言葉に問題があると考える人は少ないでしょう。
しかし、故人の宗派や宗教によっては、この言葉はマナー違反となります。
例えば、キリスト教や神道形式の葬儀の場合、死に対する意味合いや世界観が仏教とは違うので、冥福を祈るとはならないのです。
では仏教形式の葬儀なら問題はないのかと言うと、そうとは言い切れません。
浄土真宗は他の仏教と少し考え方が違うので、浄土真宗の信徒の葬儀でも、この言葉は避けたほうがよいです。
このように、葬儀の種類によっては、定形文を使うことが失礼に当たることを覚えておいたほうがよいでしょう。
葬儀でのあいさつは、基本的に定形文を使っていれば安心ですが、それだけでは物足りませんし、定形文も決して万能ではありません。
なので、葬儀のあいさつは定形文をもとにしながら、臨機応変に行うとよいでしょう。