最近、ニュースで「法事や法要」に対してネットでお坊さんが予約できるというようなサービスをおこなっているところができたと聞きました。
また、それに対して「お布施や戒名については宗教的な意味があるので、このサービスを止めてほしい」と、宗教団体の方からクレームがついているという事についてもネットのニュースで知りました。
振り返ってみれば、結婚してから初めて義父、義母、祖母、実父の葬儀を中心となって行いました。
特に初めての血縁関係者の葬儀だった義父の葬儀は、大変苦労をしました。
本当は義母が喪主だったのですが、精神的に参ってしまっていて、結局私が葬儀会社と全ての交渉をする事となってしまいました。
お布施の値段やら葬儀の形、初七日をその日にしてしまうという「お逮夜」という形式など、今まで身内の葬儀などしたことのないものにとっては大変な事だったという記憶だけが残っています。
その中でもとりあえず、「病院」で紹介をしてもらった葬儀会社の方があれこれと手配をしてくれ、「相談をして決めなければならないこと」に関してはあらかじめこちらに声をかけてくれ、それを私が義父の親類縁者に相談して決めるという形がずっと取れた事は、私にとってもとても頼りになりました。
戒名に何か言葉を添えるかどうかで金額が変わるという事もその時に初めて教えてもらいました。
何とか無事に義父の葬儀を終えた後の「義母、祖母、実父」の葬儀はすべて「家族葬」と言う形にしました。
お坊さんの手配や「会館」の手配、火葬場や通夜の手配などもほとんどすべてを葬儀会社の方でしてくれました。
私たちのしたことと言えば、葬儀会社から相談されたことについて決める事だけでした。
あとは、とにかく故人についていろいろな思い出話ができる時間を作れたという事は、忙しさの中でいつの間にか終わってしまう葬儀よりもよほど「故人」や「それを送る人々」にとってはいい時間を過ごせる形だったと、今になっても思っています。
通夜にも家族や本当につながりの深かった人だけが来てくれたので、客として対応する時間もほとんどとられず、一晩寝ながら、個人の事を話したという思い出も「家族葬」という形と、葬儀会社が全般的に仕事を仕切ってくれたおかげだと思っています。
お布施や戒名に対する値段が云々という話も、今回の「ネットでお坊さんの依頼ができるサービス」に関してはいろいろと意見があるようです。
しかし、葬儀会社に任せても結局は「相談」して「相場」を聞いて決めるという事には変わりはないような気がします。
忙しくしているうちに葬儀が終わってしまうより、身内や関係の深かった人と少しでも個人の話がゆっくりできるような時間の持てる葬儀が、送る側としても、また「送られる側」としてもいいのではないかと思っています。